野口日出子料理教室とは
「和食」という言葉は、明治の文明開化の時代に、「洋食」に対してできたものです。
西洋から伝わった料理である「洋食」に対し、家庭料理を含む日本食全般を表すのが「和食」です。
故に、明治以降に海外の影響を受けて日本で生まれた料理である、すき焼き、かつ丼、カレーライス、ラーメン等も「和食」に含まれることになります。
ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」も、日本の料理や食習慣に加えて、「和食」に海外の食材や料理を取り入れたことが評価されています。
しかし、皆様にお伝えしたいのは、もう少し小さな範囲の「和食」で、「伝統的な和食」とも呼ぶべきものです。
ここで言う「伝統的な和食」とは、室町時代の武家社会に始まる本膳料理と、茶の湯から生まれた懐石料理、さらに仏教寺院で発展した精進料理などが相まって、江戸時代の豊かさのなかで上質を追い求めたものです。
食材に恵まれた我が国で、美味しさを追求し、長きにわたり工夫を重ねた料理、そんな一品をお伝えしたいと思っています。
「和食」という言葉は、世に氾濫しています。
時おり立ち止まって、自らの「和食」について見つめ直してみるのも一考かと存じます。
野口日出子料理教室沿革
1973年、野口日出子が主宰し自宅にて「野口日出子料理教室」を開講。
2002年、現在地に自宅建設時、一階に教室を併設する
2019年、「和食クラス」、「魚クラス」を新設する。
2024年より、野口敬子が「野口日出子料理教室」を主宰。
野口日出子プロフィール
大阪府生まれ。大阪の日本割烹学校で料理の基礎を学ぶ。
結婚後は育児に専念したが、家族が集まれば水ギョーザを作るという婚家の食事に啓発され、1966年より恵比寿中国料理学院で陳建民氏に中国料理を学ぶ。
さらに近茶流柳原料理教室で柳原敏雄氏に師事し、日本料理を学ぶ。それぞれに後進の指導にあたる。
1985年、東京・自由が丘に野口日出子料理教師を開設。
料理の基礎から懐石料理の作法まで幅広く指導。ことに、魚料理には力を入れている。赤が好きという、明るく温かい人柄、大阪弁の交じったいさぎよい語り口に料理教室の人気も高い。
著書に『野口日出子の毎日役立つご飯もの和・洋・中』『酒の肴726品』(中央公論社)、『手づくり食品大百科』(共著・家の光協会)などがある。テレビ、雑誌でも活躍中で、阿川佐和子さんの『今さらながらの和食修行』(集英社)では料理指導も行う。